一方、蘭子ちゃんはと言うと人間で言うなら「スカしてる感じ?」(笑)
円吉が網戸を開けるようになった頃、2匹して脱走を図ったのだが
家族が「コラッ!!!」と声を出したその瞬間に、まぁちゃんを外に置いてスッ・・っと家に入り
知らぬ存ぜぬと言った表情なのだ。
円吉はそんな事とはつゆ知らず(笑)
一心不乱に遊び倒し、お家に入れて・・と鳴き、
真っ黒になったその身体を洗われながら怒られるのだった。

蘭の小さかった頃には一生懸命にお世話していた円(まる)の姿をよく見かけていた。
おトイレによじ登れない蘭の首を軽く噛んで捕まえ、中に入れてあげたり、
玄関などの高さのある所から落ちてはいけないと、目配せしている円(まる)は
疲れているようでもあったが仲間がいる事を喜んでいた様な気がする。
円吉は突っ走るけれども気遣い屋さんな一面もあった。
蘭の小さい頃だけではなく、成長しても尚いつも気に掛けている様子だったのだが
蘭はまるで「五月蠅いのよねぇ・・」とでも言いたげな態度なのだ。
そんな円(まる)の最期は、やせ細った身体で歩く事もままならないのに、
今までを懐かしむように家中をフラフラと歩き回り、蘭の傍にも横たわり、
おトイレも済ませてから安らかな永遠の眠りについたと聞いた。

これまで我が家の愛猫と過ごしてきた日々は、とても全てを語る事が出来ないほどの
エピソードが盛りだくさんだが、それは一緒に過ごしてきた私たち家族の胸の中に
しっかりとしまって置こうと思う。

前日の宣告より、頭の中で麻痺していた感覚を
いまこの文章を書いている間に、実感として受け止めざるを得なくなり
安らかに眠る姿を見た時も零れなかった涙が落ちてくる。。。

蘭はもう円吉に逢えたのかなぁ?
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